楽天Koboライティングライフ(KWL)とKDPの違い
一太郎最新版(一太郎2015)でkoboに最適化
2014年12月、「楽天Koboライティングライフ(KWL)」がやってきました。
これまでは、日本のユーザーがKWLに参加するためには海外版のほうから出版しなくてはなりませんでした。このたび、日本向けのサービスが正式リリースされたので気軽に登録できるようになりました。
当該サービスを利用するには、「楽天会員ID」を取得する必要があります。
KWLはKDPを意識していると思われ、現在のところ、個人作家にとって大変魅力的なオファーをしています。
管理人はKDPを中心に利用しているので、KDPのサービスとくらべてご紹介したいと思います。
【KDPとKWLの違い】
●KWLに軍配が上がる点
・独占契約がない(KDPセレクトではあり)
本の中身をブログなどで公開できる、複数ストアで販売してもロイヤリティに影響しない。
・ロイヤリティが有利
KWLは「299円〜10万円」の価格設定で70%、「80円〜298円」で45%
KDPは「250円以上」の価格設定かつ「KDPセレクト独占契約あり」で70%、「249円以下」または「独占契約なし」で35%
※ベータ版リリース記念で2015年4月1日まで、85%ロイヤリティキャンペーン中です。
・通信費がない
KDPは通信費1MB1円が印税から差し引かれる。
・海外への登録や税金関係で悩まなくていい
KDPはIRSとのやりとりや、「税に関するインタビュー」などで悩まされますが、KWLはシンプルです。個人の場合は源泉徴収差引後の金額で支払いが行われ、支払調書を年末に送ってくれるそうです。必要な方は、それで税務署に確定申告できます。
・いつでも無料配信できる
KDPでは「KDPセレクトで独占契約」して「90日間に5日間の無料キャンペーンの権利」がもらえますが、KWLはそんな縛りはなく、自由に0円に設定できます。
・セール価格に設定可能
KDPではまだ海外にしか実装されていない機能です。KWLでは「キャンペーン価格」が設定できます。
・ジャンル設定がシンプル
KWLでは最大3つのジャンルに設定可能。KDPではジャンルが細分化しているうえ、その都度、自分でサポートに申請しないと、見当違いのジャンルに設定されたりします。
・日本人にわかりやすいヘルプ
KDPはアメリカ基準のヘルプ内容なので、日本人にとってはわかりづらい表現が多いです。その点、KWLでは「日本」を意識してサービスが提供されているのでわかりやすいヘルプが提供されており、ヘルプを読むだけで十分、サービス内容を理解できます。
・個人作家のハートを理解しているオファー
現在はユーザーを呼びこむために有利なオファーをしているだけかもしれませんが、「場所は提供してやる。あとは自分で何とかしろ」と突き放すのではなく、個人作家に寄り添ったサービス内容になっています。きっと、多くの個人作家のハートをつかむでしょう。
●KDPに軍配が上がる点
・全世界に配信が可能
KWLでは「日本国内のみ」の販売となっており、海外展開はできません。KDPは全世界に発信できます。
・少額でも、毎月振り込んでくれる
KDPは少額でも毎月振り込んでくれます。KWLでは印税支払いの最低金額が「1万円以上」になっています。ただし、「1万円以下」のまま1年間が経過すると、支払われます。
・貸本がたまにある
KDPセレクトで貸本登録可能にしておくと、貸本による売上がたまに入ります。
・48時間以内にリリース可能
KDP公式では「48時間以内にリリース」で、KWLは「72時間以内」です。管理人の使用感では、いつも12時間程度でリリースしていただいております。リリースされるとメールでお知らせをくれます。
また、KWLでは4時間ごとに審査しているそうですが、週末祝日は審査していないとのこと。
(2014年12月時点での情報です)
KWLはまだベータ版なので、ますます便利になる可能性があります。KDPも、KWLの登場で個人作家にやさしい規約になる可能性は……? 世界標準で動いているKDPなので、「日本だけこうする」というのは、あまり期待できそうもありません。
新規にセルフパブリッシングをスタートする方なら、現時点ではKWLが圧倒的に魅力的ですね。ただ、海外市場を目指す場合は、やはりKDPが有利でしょう。
2015年1月追記 KDPのFAQなどが少しずつ充実して綺麗になってました。KWLを意識して改善されているようです。
楽天Koboライティングライフ:ユーザーガイド参照
最新の電子書籍フォーマット「EPUB3.0.1」が、一太郎シリーズの最新版の「一太郎2015 通常版 」で出力できます。
また、一太郎最新版ではファイルの保存の際に「Koboに最適化する」を選択して、楽天koboにも最適化できます。固定レイアウト形式で保存する場合、一太郎では自動的にkoboで推奨されている「.fxl.kepub.epub」で保存されますので、ユーザーのデバイス機器の画面に合わせた表示サイズになります。
なお、一太郎最新版は楽天koboだけではなく、KDP・iBooks Store・Google Play ブックスなど、複数ストアで利用できるEPUB出力ができるので、安心です。
初めて一太郎を利用するユーザーは一太郎2015 通常版がおすすめです。すでにあなたが一太郎ユーザーの場合、少しお得な一太郎2015 バージョンアップ版がいいでしょう。
ダウンロードだと、さらにお得です。わたしは一太郎2015 バージョンアップ版 DL版 [ダウンロード] を購入しました。バージョンアップ後、特に不具合はありません。
今年はちょうど、一太郎の30周年にあたり、さまざまな機能がついた30周年優待版もあります。お財布に余裕がある方は、こちらもどうぞ。
ジャストシステム 一太郎2015 スーパープレミアム 30周年 特別優待版